食事による花粉症対策基礎知識

花粉症は免疫システムの異常によって起こるアレルギー反応です。（目や鼻の粘膜を花粉に刺 激されることにより、くしゃみや鼻水、鼻詰まり、目のかゆみなどの症状が現れます。）花粉症を完全に防ぐことは難しいですが、日々の食事に気を配り、アレ ルギーが起こりにくい体をつくることで、症状をある程度抑えたり、軽減することはできます。

○体調を整えて、免疫システムを正常に保つようにしましょう。 　 肉や卵などの高たんぱく質の食品は、体力をつけ、免疫機能の向上に役立ちます。しかし、摂り過ぎるとアレルギーの抗体をつくりやすくなるので、適量にとど めましょう。また、体を冷やすと免疫システムや内臓の働きに悪影響を及ぼします。穀類や豆類・根菜類など身体を温めるとされる食品を積極的に食べるように しましょう。その他にもヨーグルトなど乳酸菌を多い食品で腸内環境を整えたり、免疫システムを正常に保つDHA・EPAが豊富な脂肪の多い魚を食べること も効果があります。

○ポリフェノールやリノレン酸を食事にとりいれましょう。 　 花粉症を緩和する食品としてしその葉や甜茶などが注目されていますが、これらはポリフェノールによる効果によるものです。神経を刺激するヒスタミンなどの 発生を抑える働きがあるといわれるポリフェノールは野菜に数多く含まれているので、たっぷり摂りましょう。また、植物油に多く含まれているリノール酸はア レルギー症状に関わる物質をつくるので、代わりにアレルギー反応を抑制するリノレン酸が豊富な、しそ油やえごま油を使うようにしましょう。

○鼻の粘膜を丈夫にし、風邪をひかないようにしましょう。 　 鼻の粘膜が強くなると、花粉の刺激に過剰反応しなくなるため症状が抑えられます。粘膜を強くするビタミンＡ（βカロテン）・Ｃなどを多く含む野菜や果物を しっかり摂りましょう。そして、鼻の粘膜に刺激を与えないよう唐辛子などの香辛料やアルコールを控えることともに、風邪などをひいて鼻粘膜の状態を悪くさ せることがないように注意しましょう。

日頃から睡眠不足や運動不足、ストレスに気をつけ、バランスのよい食事をすることが何より大切です。

シダックス（株）総合研究所　管理栄養士　金田綾子