ゆっくり静かで飛ばしやすい軽ラジコン機入門

レビュアー： toku 福岡 　 福岡
　「危ない」「うるさい」と目の敵にされていたのではラジコン飛行機に将来はない、それを早期に悟った著者は、地域の環境にも操縦者にもやさしい、安全で健全な模型飛行機を設計・普及することに３０年以上前から尽力してきた。

　しかし現実のラジコン飛行機の楽しみ方はスリルやスピードが主流のままで、その結果周辺住民の反対から各地のラジコン機飛行エリアが次々に閉鎖の憂き目に会っていた。そんな中１９８２年ごろ、著者の長年の経験と明快な航空機理論に基づき、傑作入門機「プレイリー号」は完成した。

　本書はそのプレイリー号を教材機に製作から飛行までを解説したものであり、「ゆっくりズム」つまりゆっくり静かに飛ばすことを楽しむという、かつてない立場のラジコン飛行機入門書である。

　全書にわたり著者のラジコン入門者に、そして模型飛行機に対する深い愛情と一貫した思想が盛り込まれており、飛ばす場所に困る人、何度墜落しても飛ばせるようにならない人を啓蒙する異色の入門書であると言える。